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●はじめに

近年、古民家をリノベーションして住まいにしたり、カフェや宿泊施設として活用する動きが広がっています。
太い梁や柱、土壁、障子など、現代の住宅にはない「木のぬくもり」「落ち着きのある空間」は、古民家ならではの魅力です。

しかし、長い年
月を経てきた古民家は、風雨や湿気によって木部が劣化していることも少なくありません。そのまま放置すると腐朽や害虫被害につながり、せっかくの古材が台無しになってしまいます。

そこで重要となるのが 木部の塗装と防腐処理 です。
今回は、古民家再生における塗装の役割や、自然素材と調和する塗料の選び方についてご紹介します。

 

古民家の魅力と木部が抱える課題

古民家外観

古民家には、新築住宅にはない「経年美」があります。
年月を重ねて深みを増した木目や、黒光りする梁などは、古材が持つ大きな魅力です。

一方で、古民家の木部は次のような課題を抱えています。

・紫外線による劣化:色あせや表面のひび割れ
・湿気や雨による腐朽:とくに屋外や縁側まわりは要注意
・害虫被害:シロアリや木喰い虫が入り込みやすい
・カビの発生:通気性の悪い部分では黒ずみが目立つ

こうしたダメージを防ぎ、木材の寿命を延ばすために塗装は欠かせません。

古民家再生における塗装の役割

塗装というと「見た目をきれいにするもの」という印象が強いかもしれません。
しかし、古民家再生における塗装には次のような役割があります。

・防腐・防カビ・防虫効果
 塗膜や浸透性塗料が木材を守り、腐食や虫害を防ぐ。
・美観の回復
 汚れを落とし、自然な色合いを取り戻すことで、古材の魅力を最大限に引き出す。
・調湿効果を妨げない保護
 木材は呼吸をしているため、適度に水分を吸放出できることが重要。適切な塗料を選ぶことで木の特性を生かせる。

つまり塗装は「古材を長生きさせるためのメンテナンス」であり、リノベーションにおいて不可欠な工程なのです。

 

自然素材との相性を考えた塗料選び

板を塗る手

古民家再生では「素材との調和」が大切です。
化学的に強すぎる塗料を使うと木材の呼吸を妨げたり、風合いを損なってしまうことがあります。

代表的な塗料の種類と特徴

1.自然塗料(オイル系)
 - 亜麻仁油やひまわり油など植物由来の油を主成分とした塗料
 - 木の内部に浸透し、表面を覆わない
 - 木目や質感を活かしながら自然な艶を与える
 - 人体にも比較的安全で、室内利用に向く

2.浸透性塗料
 - 木材に深く染み込み、表面に厚い膜を作らない
 - 木の呼吸を妨げず、自然な仕上がり
 - 屋外利用にも対応できる種類が多い

3.ウレタンや合成樹脂系塗料
 - 耐久性・防水性に優れる
 - ただし木の調湿性を阻害することがあり、古民家の雰囲気には不向きな場合も
 - 屋外の過酷な環境で部分的に使うのは有効

古民家ならではの「木の表情」を大切にしたい場合、自然塗料や浸透性塗料がおすすめです。

 

施工の流れとポイント

ポイント

下準備

表面の汚れやカビをしっかり落とす
必要に応じて研磨し、古材の表面を整える
ただし削りすぎると古材の風合いが失われるため注意

 

塗装の方法

薄く均一に塗布し、乾燥後に重ね塗りをする
屋外木部は防腐・防虫成分を含む塗料を選ぶ
室内は自然塗料で安全性と風合いを重視

メンテナンスサイクル

室内木部:5〜10年ごとに再塗装
屋外木部:3〜5年ごとに塗り直し
定期点検を行うことで、大きな劣化を防ぐ

施工事例のイメージ

たとえば、長年くすんでいた梁に自然塗料を施すと、木目が際立ち、しっとりとした深みのある色合いがよみがえります。
縁側やデッキに防腐効果の高い塗料を用いれば、雨風にさらされても長持ちし、安心して暮らせる古民家へと変わります。

古民家再生と塗装がもたらす広がり

内装

近年は「サステナブル」「環境にやさしい暮らし」への関心が高まっており、古民家再生と自然塗料の相性はますます注目されています。
新築では得られない歴史や趣を残しつつ、現代の暮らしに合う快適さを備えることができるからです。
たとえば、自然塗料は小さなお子さまやペットのいる家庭でも安心して使えるため、健康面にも配慮した住まいづくりが可能になります。

また、古民家は地域の伝統や文化とも深くつながっています。
木部塗装をきちんと行い建物を長持ちさせることは、単に家を守るだけでなく「地域の財産」を未来へ引き継ぐことにもつながります。
観光資源やコミュニティの拠点として活用されるケースも多く、塗装の一手間がまちづくりにまで貢献するのです。

これから古民家リノベーションを検討している方は、デザインや間取りの変更だけでなく、木部塗装の重要性もぜひ意識してみてください。
塗装の方法や塗料の選択ひとつで、仕上がりの印象も耐久性も大きく変わります。
プロの施工業者に相談するのはもちろん、自分でメンテナンスする方法も学んでおくと、暮らしながら古民家を育てていく楽しさを味わえるでしょう。

さいごに

古民家再生において塗装は、単なる「見た目の補修」ではありません。
木材を守り、風合いを活かし、次世代へと受け継ぐための大切な役割を担っています。

自然素材との相性を考えた塗料を選び、適切な施工とメンテナンスを行うことで、古民家は

「時を超えてよみがえる木のぬくもり」

を宿し続けるでしょう。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!